当院ブログ
むし歯菌と歯周病菌の性質
皆さまは、むし歯菌と歯周病菌の性質をご存知でしょうか?
むし歯菌と歯周病菌は、どちらも歯の表面に「バイオフィルム(プラーク、歯垢)」というネバネバを形成し、他の細菌たちと暮らしています。
バイオフィルムは例えるなら流しのぬめりのようなもので、細菌たちを外敵(歯ブラシや唾液の抗菌物質)から守ってしまいます。
むし歯のつくるバイオフィルムが成熟すると、やがて酸が生じて歯と接している面からむし歯を起こします。
一方、歯周病菌のつくるバイオフィルムが成熟すると、周りにある歯ぐきに炎症を起こして歯周病を起こします。
2つの菌ともバイオフィルムをつくり、それが放置されて成熟すると病気を起こすというのは同じです。
しかし、むし歯菌と歯周病菌は「住む世界が違う」のです!
むし歯は歯の表面、歯周病菌は歯周ポケットの中の歯の表面に住んでいます。
この住み分けには理由があり、それぞれ好むものが異なります。
①酸素が好き/嫌い
むし歯菌は好気性菌で、歯周病菌は嫌気性菌ということ。
むし歯菌は酸素を好み、歯周病菌は酸素を嫌います。
歯ぐきで隠れていない歯の表面には、酸素が届きますが、歯ぐきで覆われた深い歯周ポケットの中には酸素が入り込まないため、歯周病菌には快適な環境です。
②酸性/アルカリ性の環境が好き
むし歯菌は酸性の環境を好み、歯周病菌はアルカリ性の環境を好みます。
むし歯菌が酸性の環境に強いのは、「酸を作って歯を溶かす」力があるためです。
対して歯周病菌は、酸性の環境では生きられません。
歯周ポケットの中は、歯茎からしみ出る体液や歯周病菌による炎症の影響でアルカリ性になっています。
細菌には、繁殖するために「自分たちが過ごしやすい環境をつくる」性質があります。
むし歯菌は、乳酸・酢酸・ギ酸などの有機酸を出して周りの環境を酸性にします。
そのため、歯周病菌が歯周ポケットの中から出てきたとしても、むし歯菌に近づくことはありません。
③糖質/たんぱく質が好き
むし歯菌の主食は飲食物に含まれる糖質ですが、歯周病菌の主食は血液に含まれるたんぱく質や鉄です。
むし歯菌はたんぱく質を食べず、歯周病菌には糖質を分解する力はないため、食べ物を取り合いになることもありません。
このように、むし歯菌と歯周病菌の生活環境は交わることがないので、両者が手を組んで悪さをすることはありません。
しかし、お口の中が不潔だと両者とも増えてしまうので、むし歯にも歯周病にもなりやすくなってしまいます。
むし歯と歯周病の予防には、普段のご自宅での歯磨きのケアにプラスして、歯科医院での定期的なメインテナンス、クリーニングもご自身の歯を守っていく大切なお手入れです!
当院では、バイオフィルムを除去し、最後に高濃度のフッ素を塗布するPMTCを行っています。
むし歯と歯周病の原因となるバイオフィルムを除去し、フッ素を塗布することで、クリーニングを行いながら口腔内の環境を整えることが出来ます!!
ぜひこの機会にお試しください( ´ ▽ ` )
また、当院では普段のお手入れのポイントなどもお伝えしておりますので、気軽にご相談下さい♪